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さて、車好きの皆様なら一度は聞いたことがある塗装肌・・・。
「ゆず肌」 とか 「梨肌」 とかいうあれ! 全ての自動車塗装にある凹凸。
〇赤丸で囲んだ箇所。
これはメーカによっては様々な肌がありますが、凹凸のレベルこそ違えど、この凹凸には塗装に重要な役割を持たせております。
塗装を含め車の外板パネルは、熱の影響を受け、目に見えないレベルで伸縮を繰り返しています。
塗装の膜厚や塗装質によっては、この凹凸が重要視されます。
何故か?
熱で膨張した際、同時に塗装も膨張し、ボディー素材(鉄板、樹脂、FRP、アルミ、カーボン)などの膨張に追従した際の密度低下防止の役割を果たします。
いわゆる追従する事でボディー素材との密着を維持すると同時に、表面密度の低下を防ぎます。
肌の無いピンと張り詰めた表面は、一見すると鏡面でキレイですが、膨張し引っ張られた状態なら、構成される分子量が同じならば、隙間が広くなり、汚れや水分の浸透が多くなり劣化が早まります。
難しい???
身近なところでは蛇腹。
蛇腹がある事で、曲がる個所や、引っ張られる個所をあらかじめ設定し、フレキシブルに曲がる上、蛇腹の強度で、パイピングの割れや折れを抑制し、耐久性を確保しています。
掃除機の蛇腹や、自動車部品での一例では、ドライブシャフトブーツなど、蛇腹構造で、稼働に対する強度を高め追従性と耐久性を両立させています。
いいかえれば、高密度化すればするほど凹凸は低く設定でき、高機能塗装と呼べます。
塗装面の汚れをイラストで解説したものが当店の 「洗車」 のコンテンツで説明しております。
//cw-zen.com/clensing-polish/?id=CLENSING
いわゆる滑らかで整ったキメ細やかな塗装質になります。
とは言え、これは理想で、塗料樹脂の性質や塗装の仕上方次第では、凹凸が高くなるケースもあり、これらは自動車メーカの考え方次第となりますので、その後、どうこうできないのも事実です。
当店ではこれらの実情に対し、「ゆず肌を滑らかに研磨してくれ!」と言ったご要望には、事情を説明し、凹凸はそのままながらも、光沢を目いっぱい引き上げる下地処理としての磨きを行います。
一例では、ゆず肌が目立つマツダのソウルレッドも、光沢を引き出しております。
一度の研磨で、大切な塗装の機能を奪う事は、なんらメリットはございません。
プロの磨きとは意外なほど奥が深いのです。 参考までに・・・難しいお話でした。(笑)