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塗装を磨けばどのような作用がもたらされるのでしょうか?
綺麗な車の条件とは何か???
大きなくくりで言えば塗装が常に艶やかで輝いている事・・・。
その輝きを損なうのが傷と染み・・・その後時間と共に徐々に低下する光沢。
どの様なケミカルを用いても取り除けないシミや小傷は、最終的に「研磨」と言う塗装を削る事でリカバーしますが、塗装を削ればどうなるのでしょうか?
以前、板金塗装業務に従事ていた頃、板金塗装後の補修塗膜と、オリジナル塗膜の違いを、嫌と言うほど味わって、色々な研磨パターンや研磨による変化がどのように起こるのかテストを繰り返した時があります。
幸い、板金塗装と言う職業柄、修理車両から取り外した廃棄パネルなどに恵まれ、まだオリジナル塗装が生きている面を色々なメーカーの塗装で試していました。
通常、板金塗装店では、自分が取り扱う補修用塗料メーカーの塗装に関しては、研磨仕上げのマッチングが取れているため(そうでないお店もいっぱいるけど・・・)、研磨傷もなく、スピードも速く仕上げることが出来ますが、それと異なる塗装質には思うようにいかなかったり、たまたま上手くいったりで、答え合わせには、色々な手法やセッティングを検証しました。
しかし何故か、メーカー純正の新品塗装は、ある程度の研磨量から以降、徐々に塗装質が変化し、今まで問題なかった手法でも、研磨傷が発生したり、研磨による摩擦熱の影響で研磨後、時間と共に塗装がカサつき荒れが発生し、傷つきやすくスポット痕や、陥没痕が簡単にできたりと、研磨によるダメージがどのような結果になるのかを学びました。
これは自動車メーカーを問わず全ての塗装に当てはまる現象で、塗装の構造上、界面と言う言葉がもたらす意味が分かれば納得する現象でもありました。
塗装は削れば削るほど弱くなる・・・。
単に厚みが減るとかの単純な話でなく、密度と硬度が低下すればおのずとそうなるのです。
常に言っている例で、「タイルとレンガ」では誰が考えても表面が硬くて密度があってツルツルしてるのがタイルですね。
新車塗装の最上部はタイル・・・削り進めればレンガ・・・となります。
研摩を行わずコーティングできれば良いのですが、時としてそうは言ってられません。
その為には、如何に研磨の熱を抑え、研磨量は最小限で、精密に仕上げることが出来るかが、施工者として最も重要な課題であり、コーティングは、どの状態の塗装にどの様な性質のものを施すかで、全て異なる結果となります。
研摩のポイントは、マッチング次第で仕上がりも研磨量も時間も変わります。
その最もバランスの取れたマッチングが適正研磨です。
しかし残念ながらこれらの検証には、全て見える環境が重要で、見えない環境や、傷を埋めるタイプの材料などを使用すればどうやっても適性確認や答え合わせすら出来ません。
塗装の艶を出す事や傷を削る事はいとも簡単ですが、本当に美しい誤魔化しの無い素の塗装に仕上げるのは実に多くのノウハウが必要です。
無論、私個人がいくら頑張っても出来ない事が大半で、支えてくれる協力店や、メーカーや専門知識を持つ技術者などのサポートあっての物なので、プレッシャーもそれなりにあります。
塗装の光沢は研磨で・・・防汚性能はコーティングで・・・なんて甘い考え。
基本の光沢と防汚性能は元から塗装に備わっています。
その双方の持ち味を向上させるのが研磨とコーティングです。