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さて、困ったもので色あせ塗装の代表選手カングー。
もはや塗装がカサカサで指には剥がれた塗装が付く状況。
でも綺麗に戻します。
カングーの劣化は、主に限定車を中心に色鮮やかなソリッドカラーに起こりやすく屋外保管なら100%の確率で短期間で色あせます。
カタログモデルなら黄色。
理由は熱や紫外線、酸化に強い塗装である「クリアー塗装」がない塗装だからです。
塗装劣化とは
塗装が自然劣化する要素の引き金は、熱や光(紫外線)や放射線に始まり、塗装分子(高分子)同士の接続が分断され粒子化されて起こる、チョークの粉を意味する「チョーキング」という劣化を引き起こします。
専門家の方には怒られる雑な解説ですが、有機物である塗装は、光や熱により塗料(高分子)の炭素と水素の結合から水素が引き抜かれ、「炭素ラジカル」になりそれは酸素と結びつきペルオキシラジカルに変化し、この連鎖により別の不活性ラジカルが発生し、分子構造が連続的に分断され、艶のないカサカサの劣化となる。
これらは酸素のある環境下で発生し、色あせやチョーキングを引き起こします。
早い話、日に当たる屋外では当たり前に起こる現象です。
そして洗車をすれば「水性絵の具か!」と言わんばかりに色が溶け出したように流れ落ちます。
そのためにクリアー塗装が存在する
この現象を可能な限り食い止めるために、多くの塗装には耐候性の高いバリアー効果を持つクリアー塗装が施されるのです。
このクリアー塗装は非常に優秀で、クリアー塗装の存在こそ塗装耐久性の要となります。
しかしクリアー塗装も有機物であり劣化は免れません。
コーティングが塗装を強化する
コーティングの役目は、有機物であるクリアー塗装の持ち合わせる耐候性機能を土台に、クリアー塗装にない機能を強化し、紫外線や熱により分子構造が分断されず、酸化物質も含まないコーティングにより、塗装の強化を行い同時に防汚性も高めることで、保護とお手入れの施やすさをもたらせます。
しかし残念ながらコーティング単体でクリアー塗装の機能まではまかないきれないので、クリアー塗装のない塗膜にいくら高価なコーティングしても、クリアー塗装の変わりにはなりません。
だからこそクリアー塗装を研磨することは塗装全体の耐久性を落とすために、研磨は非常に慎重に行わなければなりません。
でっ、話がカングーからずれましたが、ソリッドカラー(クリアー塗装のない場合)では剥き出しの塗料樹脂と顔料が早い段階で劣化します。
それは新車から3年もすれば十分な時間です。
対策は、艶が鈍りだしたタイミングで表面を磨いて艶を取り戻し、コーティングにより防汚性を高めます。
その後、同じ状態になればこの繰り返しで美観を取り戻します。
ただしコレは傷んだ塗装面をその都度研磨するので、回数に制限がります。
劣化度合いや研磨方法や研磨量にもよるので決まりはありませんが、塗装の厚みには限りがあるのでいずれはなくなります。
だからこそ研磨のノウハウは重要です。
それも踏まえて、ソリッドカラーと付き合う必要がありますね。
でっ、美観再生
散々言いましたが、ソリッド塗装の救いは、磨けば「色あせも艶引きも復元する」のでこの時こそ先に申し上げた研磨のノウハウが役に立ちます。
今回で3度目・・・極力薄く薄く最小限で磨いてます。
でも新車に近い状態(下手すりゃ新車より綺麗)な塗装の艶になってます。
コーティングもオーバーコートしてるので防汚性も強化しています。
ではこれからも楽しんでお乗りください。
前後バンパーも綺麗に黒くなってます(笑)