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多くの塗装は、樹脂を様々な機能性添加物とともに
溶剤に分散させ、液体状の物を吹き付け
100度以上の温度で焼き付け乾燥させ、
溶剤の揮発とともに硬化していきます。
熱処理や乾燥の過程で熱重合と言う反応を促し
強度の高い塗膜を形成し、仕上がります。
重合反応とは、主剤である塗料樹脂と硬化剤などの副材が
溶剤の揮発とともに緻密な緻密な網の目構造になり
硬化被膜を形成することを指します。
ところが新車でも無傷な状態は無く、
ライン生産後の余剰ミストや、乾燥後の
光沢の低下、ゴミ噛みや不具合箇所の
修正磨き傷、流通過程での
汚れの附着や浸透、など様々。
それらを専門店では磨き処理で、より良い
塗装状態に仕上げるわけですが、
磨き処理によっては、逆に塗装を痛めるリスクが発生します。
身の回りにある様々な物質は熱の影響により
何らかの変化を伴います。
機械による磨き処理は、回転や振動による摩擦熱を
発し、一定の温度以上では塗装の結合状態を低下させます。
摩擦が生じる以上、熱の発生は避けられないため、
如何に熱をかけず、塗装との摩擦による影響を抑えるための
短時間で、仕上がりの良い精密な作業が重要となります。
また、研磨剤を使用する以上、今ある傷以上に
新たな研磨傷を発生させ、そのため段階的に
工程を重ね人の眼では見えないレベルまで
処理していきます。
同時にそれだけ余分に塗装は擦り減り、強度は低下します。
当店では最も研磨力のないとされる機材を使用し、傷の深さ以上
塗装を削らず、熱の発生を抑え確実な磨き処理を行います。
従来、何工程もかかる国産のソリッドブラックでも
最大2工程で殆ど塗装を削らず仕上げていきます。
限りある塗装を削れば、2度と元には戻りません。
以前は、自動車塗装従事者であったため、言い切りますが再塗装では
新車時のオリジナル塗装は再現できません。
よく耳にする焼き付け塗装とは新車時の事で
補修施工時は低温処理となります。
塗膜が完全な状態に変化する化学反応を重合と呼び
新車塗膜と補修塗膜では重合反応との仕組みが違います。
再塗装時では、車体にはすでに色々な部品が組み込まれており
常温でも重合反応しますが、作業時間の短縮で
乾燥時はそれらの熱変形や異常を起こさない範囲の
約80度前後の温度で、乾燥させます。
新車はそれ以上に高い温度の140度前後で、短時間で焼き付けますので
表面の硬度や密度は高く、補修塗料では高性能なものでも
オリジナル状態に近づくには、適切な配合と塗装技術で仕上げ
硬化後から更に、常温化で数か月かかる場合もあります。
それらを仕上げ磨きする場合は、熱や摩擦係数の高い
磨き処理をすれば、焼き戻りと言う、後の艶引きや
塗膜のちじみ、ピンホールと言う、微細な巣穴の発生が起こります。
そのため、塗装後のコーティング再施工は一定時間を
空け、それらの無い事を確認することが良いとされていますが、
適切な仕上げ処理を行えば塗装後から数日での再施工は問題ありません。
コーティングは塗装の保護が目的ならば
塗装そのものを適切に磨き処理しなければ
保護する塗装に再生不能なダメージを与える事となり
今でも誤った作業が行われるのも事実です。
機械による磨き傷は非常に見た目も悪く
磨くことの無意味さを感じます。
当店では、測定機材により数値化された研磨データーがありますが
大半の物が、現在の塗装事情には通用しません。
コーティング以上に重要なのは実は磨きなのです。
塗装は化学反応で緻密な構造に変化しますが
コーティングも同じで、磨き処理によりその反応の
妨げになる余分な成分を塗装面に残さない
磨き処理が重要です。
そして、樹脂塗料は最も強い硬化被膜です。
そのため当店ではコーティングのベースとして塗料成分である
クリア樹脂塗膜を形成し、防汚性と耐久性の向上のための
コーティング皮膜を重ねる複層型施工法となります。
長らくお付き合いくださり恐縮いたします。(笑)
車磨きと塗装好きの
・・・徳島県カーコーティング専門店クラフトワークスZEN