カテゴリ: NEWS
さて、今回は板金塗装後のコーティング再施工でのお預かり。
現状ではどのような状態でしょうか?
既に怪しい雰囲気が・・・。
スライドドア。
スポットで照らされてたこの傷は、塗装後の磨き処理で発生した研磨による研磨傷。他多数。
スポットライト周辺の揺らいだ「もや」みたいなものが、浅い研磨傷によるオーロラマークと呼ばれる傷。
では、綺麗に塗装した状態にもかかわらず、何故研磨が必要なのでしょう?
塗装時には多かれ少なかれ塗装面に「小ゴミ」が付着します。(これは新車にも存在します。)
又、スプレーで塗布する際の「塗り肌」の荒れた個所も出来てしまいます。
それらを最終的にペーパーや研磨剤で削る事で均一で綺麗な仕上がりにする訳ですが、実際はこの様に理想とは違う仕上がりとなります。
問題は、これを良しとするか悪しとするかはお客様次第ですし、既にお世辞にも綺麗とは言い難いお車なら、再塗装以外の他のパネルは傷だらけ染みだらけなら違和感もないでしょう。
板金塗装で最も難しいのは仕上がりレベル・・・全てが新車時の様な完璧な仕上がりを求めるわけでもなくケースバイケースですので、あくまでもパッと見で綺麗なら十分です。
ところが当店のお客様には通用しません。
現に今回のお車は塗装肌、色狂いも無く綺麗な塗装で仕上がってます。
通常なら十分ですが、ここから先は専門店である当店の役目です。
では他の塗装以外の箇所に何が起きているのか???
バックドア周辺・・・これは塗装ミスト。
塗装ミストとは・・・再塗装時は、塗装個所以外をビニールシートやマスキングなどで覆い、塗装が付着しないように養生して塗装しますが、その際スプレーで吹き付けた際の霧状に舞い上がる塗料成分が、ビニールで覆われた個所の僅かな隙間から入り込み付着して、この様なもやもやになります。
既に乾燥してますのでケミカルでも除去不可・・・軽く磨いてコーティング補充となります。
クオーターガラス・・・ここもミスト。
ではこちらは???・・・再塗装面とは反対のリヤドア。
これは養生で使用したビニールシートの貼りついた染み。
実はビニールシートは養生面に僅かな水分が残っているとビニールシートの成分と水が反応しこの様な染みとなります。
洗車や脱脂剤などでも除去できません。通常は研磨ですが当店は他の方法で除去。
塗装やコーティングをむやみに研磨しない為にも・・・。
今回はこれ以外の問題は見当たりませんでした。
残念がらこれらの付着はクレームに繋がる項目です。
今回は、当店が仕上げに入りますので現状のままでのお預かりですが、他ではどうなっているのか?
でっ、お約束・・・仕上げ剤による撥水・・・邪魔なので除去します。
さて、当店にはよく保険会社の修理費用認定の担当さんからのお問い合わせもありますが、専門店である当店ないしは、他店において「再コーティングの費用が割高になるのは何故か」と言うお問い合わせに対し、現状復元と言う事故修理の大前提に基づき今回のケースなどをご説明し御理解を頂いております。
基準は何か?・・・良い仕上がりとは何か?
無駄にこだわるのではなく、当たり前の事なのですが綺麗とはあくまでも人の主観。
千差万別ですね・・・難しいのはそこなのよね・・・。
お客様の希望は綺麗にしてほしいだけ・・・私も綺麗にしたいだけ・・・。
では、綺麗に復元してお返しいたしますのでご安心ください。