カテゴリ: NEWS
研磨に関してお客様よりご質問いただいた件での回答を分かりやすくご説明します。
以前のものですが先ずは動画。
実はこれは研磨後の洗車時の水のはけ方をご紹介したもので、撥水剤やコーティングも何もない「素」の塗装です。
研磨剤の残留成分もなく使用しているものは不純物をろ過した「純水」です。
水のはけ方を見てどのように感じられましたか?
撥水してますね!
実は塗装は樹脂ポリマーの集合体で、基本的には新鮮なものはこの様に撥水します。
しかし劣化してくると水弾きも悪なり汚れやすく艶も鈍くなります。
紫外線、熱、酸化、摩擦、汚染物などの様々な要素から有機物である塗装は、時間と共に陶器のような滑らかな表面からレンガのようなザラザラした表面に劣化します。
表面が荒れると水の引っ掛かりも多くなり、目の粗い粒子となった表面には汚れも浸透しやすく汚れやすくなり、どんどん劣化は塗装の内部まで進行します。
これは虫歯の進行と同じ現象です。
劣化のプロセスの説明ブログがこちら↓
//cw-zen.com/blog/24347/
水の分子は非常に小さく、ましてや水蒸気はさらに小さな分子で、塗装の分子の隙間にも浸透します。
塗装の下から「錆」が浮いてくるのもその影響です。
錆を防ぐバリアーの役目を持つ塗装も劣化すれば、その能力も低下し本来の機能を果たさなくなります。
色々な意味で塗装の役割は大きく、最も重要な皮膜と言えるでしょう。
それゆえコーティングの役割も重要で、塗装の分子間の密度を向上させ、塗装内部への水分や汚れの浸透を防ぎ、同時に防汚性を高める機能により、塗装の劣化を抑制するのです。
現在主流のガラスコーティングの最大の特徴は、多くの有機物の劣化要因である「紫外線」「熱」「酸化」といった避けて通れない要素に影響されない(劣化しない)強さを持ちます。
その為、塗装表面で長期間の保護を行えます。
ココで重要なのが塗装とコーティングの結びつきの強さです。
結びつき(結合)には大きく分けて2つの要素があります。
①化学結合
塗装とコーティングがお互いの原子間での共有結合により非常に強い結びつきとなる。
②機械結合
木に釘を打ち込むと同じで刺さってるだけの簡単な結合
そして最も重要なのが化学結合で、塗装(有機物)とコーティング(ほぼ無機物)と言った相反する素材の結合には、科学的に結びつく分子結合が重要です。
いくら強力な接着剤でも、素材の表面に油膜や汚れがあると接着できません。
塗装面も同じで、新車の塗装面にも油膜や酸化膜などのコーティングの結合の妨げになる要素がいっぱいです。
ましてや既にお乗りのお車や、中古車では劣化塗装そのものがもはや邪魔な存在です。
そのため、塗装表面をクリーニングし劣化した表面を取り除き新鮮でキレイな塗装面にする必要があります。
これを効率よく行うのがポリッシングという研磨となります。
この様に新鮮で無垢な塗装面を作り上げる重要な作業が研磨となり、研磨の仕上がりが見た目だけではなく防汚性の向上や、コーティングの結合にも大きな影響を与える重要な役割を持ちます。
塗装面を磨けば単にに塗装がすり減る・・・という単純なお話ではなく、「コーティングをするための理想的な塗装面の状態「」とは何か?
何が落とし穴なのか?
というお話ですがこの先は次回へ・・・。