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ご紹介は大変悲惨な状態のマツダCX-5です。
こんな感じ!
これは洗車機の撥水コーティングの残骸です。
基本成分はシリコンオイルと界面活性剤等・・・
普段は洗車機ですが、今回に限り手洗い洗車をしたところ、使用した洗剤の影響でこのような悲惨な状態となりご相談くださいました。
大変お困りのようでしたのでご来店いただき状態を拝見させていただくと、これはお客様でどうにかなるレベルではありません。
他のお店でもお断りされたレベルです。
お客様は何と今回の洗車で誤って泡スプレーのフローリングクリーナーを使用してしまいました。
拝見したフローリングクリーナーはアルカリ性の濃度の高い界面活性剤でした。
そもそも床は皮脂汚れなどがこびりついているため、車用の洗剤(界面活性剤)に比べると強力な脱脂洗浄力を持ちます。ましてや艶や小キズなどに敏感な車の塗装と違い、そこまで細かい事を気にしなくて良い床なのでブラシ等を使用して擦ったりもしますので、洗剤に要する内容も変わりますので、車の塗装には使ってはいけません。
一部メーカーの塗装で弱ったものならば塗装自体も壊してしまいます。
説明書きにもあります。
そもそも洗車機や一般的なコーティングの撥水成分はアルカリで分解されます。
なのでこの時点でアウトです。
しかも普段から頻繁に撥水洗車を行っていたためシリコン成分が樹脂化し膜を形成していたため、アルカリで溶かされたものの洗い流れるわけでもなく、中途半端に溶けて白濁してこの状況です。
研磨しても無駄です。バフに絡み込んで目詰まりを起こして何枚もバフを捨てることとなりますし、シリコン成分の妙に粘りのある被膜のせいでゴム質みたいな状態なのでコンパウンドも上手く削ることができません。
分解除去です。無駄に削らず効果的にシリコン成分を取り除きます。
ケミカルで取り除くので研磨剤も使用しませんし無駄な傷も付きません。安全です。
当店がシリコンレジン等の成分を撥水剤として使用しない理由がここにあります。
時とともに黄変し、残留成分はくすみや濁りとなり、油性の汚れ(PMやグリス、アスファルの油分)などと混ざりあり、水を弾くけど油垢のもととなり、そのくせ取り除こうと思ったら無駄にしつこい・・・結果アルカリや微粒子の研磨剤、強めの界面活性剤を使い少し硬めのスポンジなどでこする取る作業を行います。
隅々に詰まってものは???ひたすら手間がかかります。お客様の得にもなりません。
なので当店は全く異なる成分で作られたユーザー専用トップコート「ナノダイヤモンドコート」をご提供しています。
無駄に取り除くことも必要ありませんし、酸化して黒ずみやくすみの原因にもなりません。防汚性も遥かに高いです。
仮に除去するなら「スケールリムーバー」で簡単かつに安全に取り除けます。
話がそれましたがシリコン残留成分をすべて取り除いた先で現れたものがこれ。
素の塗装面です。
汚れでもなんでもなく劣化した塗装表面です。
無駄な撥水が招いた結果、そこには無数の雨染みが出来ていました。
雨染み=イオンデポジット(シリカスケール)ではありません。これは洗車機の撥水剤に含まれる残留成分(有機成分の酸化物)が紫外線や酸化により劣化し、石油から出来た樹脂である塗料を酸化し汚染したものです。
有機物の汚れが健康な有機物を汚染し劣化を加速させたものです。
何も塗布していない塗装のほうがマシだったかもしれませんね・・・水を弾くから汚れないわけでも傷まないわけでもありません。
撥水させるなら別の方法で・・・これができるのが本当のプロの仕事です。
無駄に塗装を削らずに最小範囲の研磨量で一発仕上げ!
作業前
作業後
オーナー様には大変喜んで頂き幸いです。
なんだか偉そうに言いましたが、車をきれいにしたいという思いとは裏腹の今回の結果には、カーケアに携わるものとして考えさせられる物がありました。
簡易な作業・・・簡易な成分・・・同じ洗剤でも目的により大きな差が出ること・・・難しい話ではなく、わかりやすく理にかなった情報・・・的確なご案内・・・プロの役割とは・・・
できる限り正しい情報をお届けします。