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酸性雨は大気汚染物質に起因する日々排出される窒素酸化物や硫黄酸化物を含んでおり塗装の劣化の大きな要素となっています。
塗膜劣化の例は、従来のウォータースポットや昆虫の死骸などによる凸状の塗膜の膨潤(ふやけて膨らんだ状態)による変形とは異なり、輪郭部が特に深くえぐられた凹状の特徴的なリング状をした侵食によるエッジングを起こし車体水平部にしかも夏季に集中て多数発生することで重度の劣化となります。
①ボディー上に付着したpH4程度の雨滴が太陽熱で濃縮し、酸濃度が増大する。
②同時に塗膜が熱で軟化し水分が浸入する。
③酸濃度が高くなると塗膜に付着した雨水の外周部から加水分解が始まり、同じ箇所に雨水が繰り返し集まって輪郭部に深いエッチングによる陥没したクレーター状の劣化を生じる。
さらに大気中の粉塵や土砂などの残留した汚れの存在もこのリング状の汚れの痕跡を作り雨水の溜 ま り場となり劣化を引き起こす。
そしてそれらは水が滞留しやすい水平に近い部位であるボンネットやルー フ 、トランク、などに集中して発生し、垂直に近い部位での発生は比較的穏やかと考えられるが、塗装質や色などの条件が加わると同じく劣化を引き起こす。
塗装のみの状態での撥水期間は驚くほど短く、大半の場合乗り始めから半年以内で撥水もなります。
そして徐々に表面密度の低下により水を弾かない意図しない親水状態となり、水を留める時間が長くなり塗装表面の水の浸透が増すことで塗膜の劣化が徐々に進行します。
やがて徐々に塗装内部まで侵食が進み密度が著しく低下してくると、塗装の剥離につながり、さらには基材の腐食を招きます。
こんな雨染みから始まり、やがて収拾のつかない陥没を招きます。
自然光で目ない劣化も当店の ラ イティングの下ではハッキリと見えますので健康状態の把握には欠かせない波長を持つ照明です。
初期段階はシリカスケ ー ルから始まりますので、雨染みを侮ってはなりません。
特に国産車ではホンダ、スズキ、スバル、日産が弱いです。
今回は酸性雨と侵食劣化と低密度化による親水劣化のお話でした。
では次回は光による光劣化を考察します。
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