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「光劣化」は、可視光および紫外線照射により引き起こされる化学反応の総称。
光の吸収により様々な物質に害をなす事があります。
そもそもわたしたちが色を認識する最大の要素が光の反射です。
例えば、赤色は光の波長の赤を反射しそれ以外の波長を吸収することで「赤色」と認識する出来るのです。
そして白は全ての波長を反射するので白。
逆に全てを吸収するのが黒となります。
光による影響は「光化学反応」と呼び、分子内に特定の波長の光を吸収する事により塗料の高分子が高いエネルギーを持った状態になり、ラジカルが生成され分解反応が始まります。
そしてその分解反応が高分子である塗料の結合エネルギーを超えていくと崩壊につながる劣化となります。
かなり雑な説明でこの分野の方に怒られますがそこはご勘弁を・・・
ラジカルを簡単に説明・・・Aさんがお金を工面するために①借金をする→①の借金を返すために②でさらに借金をする→これが繰り返され多重債務となる→結果自己破産(涙)
実際は・・・「ラジカルに1電子を奪われた分子が他の分子から電子を引き抜くと、その分子がさらにラジカルを形成するため反応は連鎖的に進行する」
という感じで、さらに生成した塗料の高分子ラジカルは空気中の酸素と反応して過酸化ラジカルを生成しその後自動酸化により分解反応が進んでいきます。
塗膜の光劣化は酸素の存在下で紫外線が持つ分解エネルギーに伴うラジカルが発生する光酸化分解によって進行します。
ステップ1・・・紫外線を浴びる。
ステップ2・・・落ち着いていた塗装のどこかで落ち着きのない奴が何やらモゾモゾ動き出す。
ステップ3・・・そいつのせいで周りもザワザワ動き出す。
ステップ4・・・どんどんまとまりが無くなる。
ステップ5・・・収拾がつかなくなる。
ステップ6・・・塗膜の繋がり(連鎖)が分裂する。
ステップ7・・・塗装が剥がれる。
という事です。
補足・・・ラジカルは決して悪い反応ではなく、化学反応において重要な多種多様な役割を果たすのですが、こと塗装の劣化に関してはイメージ悪いですね・・・(涙)
では次回は「対策と必要性」です。