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近年、耳にする自動車水性塗装。
従来の環境や人体に害のある有機溶剤塗料の使用を抑え
工程の簡略化、製造ラインでのCO2削減などの必要性から
自動車メーカが今行う塗装が、水性塗装となります。
ただし、仕上げのクリア塗装は低有機溶剤タイプがメイン。
各メーカごとに独自の塗装システムの開発を行い
それぞれ特徴がありますが、今の時点で、水性塗装は
まだまだ向上の余地が大いにあると考えます。
水性塗装は、環境問題等にはよくなりましたが、
仕上がり性や、耐久性においては従来型の塗装には
及ばないのも事実です。
様々な改善や研究と共に進化していく水性塗装ですが
塗料成分を水分中で安定させるために使用する
中和剤が、硬化の妨げになるため、赤外線照射と
温風乾燥などを要し、クリア塗装前の水分の蒸発の為
必要ですが、CO2の排出用が上がるため
ドライエアーによる乾燥を行うまたは、遠赤外線ヒーターで
乾燥させる生産ラインもあります。
たとえば、飛び石等による色欠けを低減させる中塗り層と言う
弾力のある塗膜がありますが、メーカーによっては
この中塗り層を無くし、その機能を上塗り層に持たせ
工程の簡略化等お行います。
同時に塗装全体の厚みも薄く仕上がり、塗装後の乾燥方式や
塗料成分も変化したものの、
仕上がり後は、艶引きや、ゆず肌などの状態となっているのも
事実として多く有ります。
他の例では、塗装の最終段階でのクリア塗装に含む溶剤により
下にある水性塗装の層が膨脹し、その後の乾燥で収縮し
ゆず肌や艶引きになるケースもあります。
また、クリア層で光沢性の高い仕上がりを求め、高級車などは樹脂成分や
その他添加剤など改良し、工程の中に中研ぎと言う
別工程を設け、最終のクリア塗装を行い
耐スリ性や光沢性を向上させている例もあります。
他にも様々な水性塗装に関する内容はありますが
全体的にいえることは、塗装そのものは、従来の2分の1から
3分の1程度しかなくなったこと、
傷んだ際の研磨処理によるリカバーが
非常にリスクの高い処理になることが挙げられます。
新車時のゆず肌は、薄い塗装を傷や痛みを目立ちにくく、
塗装の伸縮性を妨げないためには必要と感じますので
目に見えるゆず肌の凹凸はそのままに、表層のザラツキを
磨く事で滑らかにし、密度を整えることで光沢を出す研磨技術が
必要です。
新車施工時にはそれらを踏まえ、如何に塗装を減らさず、
仕上げるかが、塗装強度や耐久性には重要です。
当店がクリア樹脂塗料をコーティングのベースに使用するのは
研磨による塗装の減少を、クリア補充で復元し、
研磨で発生する、目には見えずとも存在する
研磨剤による粒子跡を足付けに密着させ、膜厚と光沢の
向上により薄く脆くなった最新の塗装に
対応するための重要工程となります。
現時点では、新車購入時、コーティングが含まれている
見積もりがほとんどですが
今後、水性塗装の仕上がりや、塗装そのものの性能が
向上しても、コーティングの需要は減らないでしょう。
ただ、残念なのは、純正コーティングは、今の水性塗装の保護としては
今一つ効果が薄い点にあり、専門店には及ばないのが実際ですし
専門店のコーティングも、塗装に対して進化していかねばなりません。
塗装や、コーティングに関するご相談はお気軽にどうぞ。
・・・徳島クラフトワークス・ZEN