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さて、今日は忌々しい汚れと塗装の劣化を考えます。
車には様々な汚れが付きます。
排気ガス、排気ガスを含んだ酸性雨、植物の種子や花粉、動物のフン、砂ぼこり、ミネラル、油分、などなど・・・
そのどれもが付着したら直ちに悪影響を及ぼすわけでは無いのですが、時間が経過すれば話が大きく変わってきます。
例えば多くの汚れは「有機物」に分類されます。
塗装も有機物。
ここで科学のお話・・・本来は原子や電子の説明もいるのですが割愛!
有機物の多くは紫外線(電磁波)により分子の結合(繋ぎあった手)が分断されます。
この手と手が引き離されるのは切ないね・・・保育園に預け始めの頃の娘を思い出す・・・わかる人にはわかる!
有機物の分子結合は電子による結びつき(プラスとマイナスの電荷のバランス)が整い安定していますが、紫外線という電磁波のエネルギーが分子間結合よりも強い場合、この結合が断ち切られ不安定な状態に変化します。そしてこれらは酸素のある環境下で光酸化分解となり塗装の構造をもろくさせます。
いわゆる劣化です。
そこでほぼ大半の自動車塗装にはこの紫外線に耐性のあるマテリアルが含まれており、これにより屋外でも10年近く剥がれず車のボディーの錆や腐食から守ります。
しかしやはり有機物である以上は限界があります。
徐々に紫外線や熱による影響を受け分子結合はもろくなります。
ここで先の汚れの話。
汚れも同じく有機物である以上、紫外線や熱の影響を受け劣化します。
当然ですが汚れは塗装面に付着した状態で真っ先に劣化するので、有機物である塗装の上で不安定な状態となり塗装の分子にも悪影響を及ぼし劣化も早めます。
有機化学の専門家からすれば非常に適当な言い回しですが、実際のお車の塗装面ではこのような現象と考えます。
さらに、忘れてならないのは雨(排気ガスや火山などの硫黄などを含む酸性雨)。
これらも塗装を劣化させる要素として非常に厄介で、酸により塗装の劣化を伴う化学反応を促進させ、水による水解(加水分解)となりこの劣化は温度にも影響されるため、夏場などの気温の高い時期に集中的に起こります。
特に熱をためやすい黒系の塗装に多く見られます。
これにより塗装面に陥没した酸性クレーターなる劣化を引き起こします。
いささか乱暴な説明ですがが堪忍してください。
このような事から、塗装の劣化を早めるのは「塗装に付着した汚れ」によるものであり、塗装の劣化を防ぐには付着物の除去・・・いわゆる洗車が一番手っ取り早い解決法と考えます。
事実、洗車をこまめに行う車は、そうでない車と異なり同一条件下でも劣化がほとんど起きていない例を多くみております。
そして・・・
当店で施工するコーティングの最大の特徴は分子間結合が強靭で、地上に降り注ぐ波長の紫外線(電磁波)のエネルギーでは分断されず、同時に熱による軟化もここさないため、常に安定した状態であり、それが有機物の耐久性の向上につながる表面改良剤として役立っています。
この安定した性質のコーティングにより塗装表面が保護されることで、汚れが直接塗装面に接触しないことで、塗装に直接ダメージが加わらない事からもコーティングの有効性が挙げられます。
と言えコーティングも分子結合をもつ化合物なので汚れなどの劣化要素が長時間付着していると、思いもよらぬ化学変化を起こしてしまします。
ミネラルなどの汚れとの結合による雨染みや、酸性雨などの強い酸による浸食も起きてしまいます。
コーティングを行ったうえで、定期的に洗車をすることが最も効果的なボディーの保護となりますので、コーティング以降も洗車は必要となります。
早い話、塗装面はコーティングで塗装表面を露出させることなく保護、ヘッドライトはプロテクションフィルムで紫外線を食い止め、洗車で予防という流れが「きれいな車のある暮らし」には一番と思います。