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日頃から定期的に愛車の手入れをしているご近所の方から
御相談を頂きました。
少々、長いブログですがよく似た状況の方もおられるので
画像はありませんが御付き合いください。
御相談内容は・・・
(国産SUV、グレーメタリック、塗装質は痛みやすい部類)
最近になってボンネットやルーフなどの染みが目立ち
艶も鈍くなってきた・・・。
ついでにボンネットのエアーダクトはマット状態に
艶が無くなってきたとの事・・・。
拝見すると、ある時を境に劣化が進んだとの印象です。
忙しく3か月少々、まったく洗車が出来ていなかったので
久しぶりに洗車しようと思いきや・・・・
???
先ずは答えから。
今まである程度ワックスで隠ぺいされていた
劣化状態が、3か月の期間に完全に露呈したのと、
その間の酸化も進み、艶が半減した・・・。
お話をお伺いすると、良かれと思い行ってきた
お手入れ方法が仇となったケースでした。
具体的に何が原因でしょう?
※シャンプーの使い方
※ワックスの使い方
※洗車法方
※お手入れ頻度
では解説・・・。
例えばカーシャンプー。
濃い方が汚れが良く落ちると思い、希釈を濃い目にして
常に洗車していたらしい・・・。
濃い=良いではなく、シャンプーの目的は
雨や走行時のしぶきなどに含まれる油膜の除去と
摩擦を減らし洗車傷を低減する事です。
薄いぐらいで十分です。
カーシャンプーで、それ以外の汚れを落とすことなど
出来ませんし、出来る物は要領よく使わないと
塗装にダメージを与えます。
そして、濃いシャンプー液は濯ぎ後も残留が残り
染みや艶濁りなどの原因を作ります。
意外なほど、シャンプーの残留は分かりにくく
多くの方は残留を残した状態が想定できます。
次は、ワックス。
ワックスその物が悪いのではなく、ワックスの内容物が
塗装を徐々に悪くした可能性があります。
特に今どきの塗装に対し、ワックスは10年20年も
進化していない製品が多い・・・。
それらに含まれる石油系溶剤・・・。
これはワックスや付随成分をを安定して溶かしていると同時に、
ある程度溶剤の力でシャンプーでは落ちない汚れの
溶解を行いクリーニングを兼ね、油膜で保護する物です。
灯油のにおいのするワックスなどがそう・・・。
それら成分は、ワックスの油分と混ざりあい
塗装に残留します。
長期的に見ればよくありません。
そして、それらは酸化膜となり、油膜である以上
ある程度は水を弾きますが、その逆、油分汚れや
水垢の原因となり、塗装の酸化を進行させます。
そうならない為には、ワックスが劣化する前に
入れ替える作業が必要ですが、溶剤の問題が
あり、実はそんなものよりも安全な、
無機溶剤(水)
で分散された水性コート剤の方が高性能で
かつ安全に塗装を保護出来るのですが、
どの製品が良いのかは分かりませんね。
でっ、洗車方法・・・
洗車も集中的に行えばよいのですが、
間で他の用事や休憩などで、水道水が乾き
スケールを発生させ、それを取るたにワックスを
強めにかけ取り除くことが多いとか・・・。
砂埃の舞う屋外で、塗装面を強く擦る事は、
確実に傷を発生させます。
しかし、水染みの固着したものはワックスでは取れません。
取れる物は研磨剤入りのワックスなので良くありません。
ワックスがけの度に塗装を削り傷を増やし
汚れの温床を生み出す事となります。
最後は、お手入れ頻度。
比較的定期的とはいえ、2か月以上も洗わない時もあるとかで
仕事や用事で忙しい環境では、どこにでもある状況です。
そうなると問題は、酸化したワックス成分と
その間に固着する汚れ・・・
完全硬化被膜(全てではありませんが)とされる
コート剤と比べ、どうしても耐候性の低い
ワックスの油分は、ベタつき汚れを抱き込み
塗装に悪さします。
その影響は徐々に塗装に浸食していき
気が付けば何らかのダメージを残します。
これらは、どこにでもある今まで繰り返された
お手入れの方法です。
これらの改善策は・・・
※シャンプーは薄めで使いよく濯ぎ流す。
※ワックスは、水性の液体タイプを使用する。
※洗車の水渇きをコントロールし素早く洗車する。
※汚れを無理に取らず、ケミカルを使用する。
※出来るだけ洗車を心掛ける。
※究極はプロに依頼する。
てな感じですかね・・・。
近年の塗装は、随分と高性能にはなりましたが
正しいお手入れを行わない場合、痛んだから
削って綺麗に戻す作業が困難な状況にもなります。
そのせいか、近年はガラスコーティングを代表とする
ワックスとは異なる耐久性の高いコーティングが
主流となりました。
無論、ちゃんとしたワックスは艶も内容も良いのですが
日常の使用ではガラスコーティングには
及ばないのが実際です。
劣化し始めてから、誤った方法を繰り返せば
プロでもリペア困難となり、最悪は再塗装となります。
シビアになる必要はありませんが、
たまには信頼できるプロに相談するのが良いかな?
良い作業を行えば、今までの労力は必要ありません。
お手入れは実に楽になります。
それはゆるぎない事実ですね。(笑)
石油系溶剤を使用する物は避けるべきです。
成分内容をよく読みましょう。