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作業開始のアウディTT・S。
事前の御打ち合わせで、お客様のお手入れ方法や使用環境などを色々お伺いし、何点か気になる事があり、色々ご説明さしあげました。
今どきはインターネットでの情報が氾濫し、厳密にいえば誤った情報が多すぎる・・・。
今回のコンディションを例にすれば・・・先ずは画像をご覧ください。
これらは全て水染みです。
水染みは円状に隆起した汚れを作り、隆起した個所が土手になり、その中に水が留まり、やがて陥没したクレーター状の劣化を引き起こします。
ではこの水染みはどの時点でついたのでしょうか・・・???
これに関してはどの時期でも付きますが、春先の黄砂や花粉の時期に洗車を怠ると、その染みが引き金で固着した痕跡になったり、その状態からより汚れやすいコンディションになったりもします。
また、保護として使用する市販のコート剤などは、湿気を呼びやすかったり、油膜が付きやすかったり、などの影響によりスポット状の染みとなり、時間と共に固着して塗装を浸食します。
先ずはこの一点.
でっ、次の問題は、これら雨染みは洗車してもザラザラした感触になる場合が多く、トラップネンドで除去・・・でも取れない・・・と言う図式となったようです。
残念ながら、鉄粉と雨染みは同じザラつきでも除去法が異なり、ザラつきの内容次第では、特にトラップ粘土を安易に使用すると、それ相応の引っ掻き傷の原因になります。
にも拘らず、これら作業を推奨してるサイトもあるから困ったもんだ・・・。
幸いアウディーの丈夫な塗装なので大事には至りませんが、そうでなければ僅か数年で、プロでもリカバー不能なコンディションに陥るのも、誤った情報の悪影響です。
お客様がお困りだった状態ですが・・・
当店の初期洗浄でここまでリセット・・・。研磨粒子など一切使用せず、水とケミカル洗浄剤とマイクロファイバークロスのみの洗浄です。
これ以外にも洗車の方法や、洗車用品の良し悪しや使用用途と注意点などの具体的な説明はそこそこに、安易で便利さを強調した内容の伴わない宣伝ばかりで、ノウハウのないお客様は余計混乱し、誤った情報に影響されるとその後は悲惨です。
シャンプー一つとっても、アルカリ性や酸性、中性、撥水剤の入った物など様々で、どれが良いのかはお客様には判るはずもありませんし、スポンジでの洗車が良いのか、セーム皮やムートングローブ、マイクロファイバークロスでの洗車が良いのか?・・・などひたすら???の繰り返しで、もはやカオス!
その様な事態にならないようにプロ施行店があるわけですが、プロもピンキリ・・・。
本来のプロショップとは、コーティングをすることが目的ではなく、車を綺麗に維持する方法を知っているのがプロショップなので、ユーザー目線での基本は、全て洗車となります。
あらかじめ想定される汚れを未然に防ぎ、固着する前に簡単に除去できる方法をお伝えし、洗車環境の無いお客様には丸投げで良いのでお預かりし、定期的にケアをする・・・。
綺麗な車の維持は、それなりの手間とコストは仕方ない・・・。
汚れたら洗車する・・・単純で奥が深いけど、じつは非常に簡単なのです。
「正しい洗車と、正しい情報」をご提供いたします。
最後にボンネット・・・洗浄作業前。
洗浄後・・・既に陥没痕が粒粒とありますね・・・塗装と相談しながら研磨します。
悔やまれるとしたら、もっと早くお預かりできれば陥没も深い傷も無い状態からのリカバーなので、何の問題もなかったのですが、こればかりはタイミングや御縁もありますね。
まだ幸いにもリカバー可能な状態ですので、深い傷や陥没痕はすべて取り除きませんが(塗装の強度維持の為)十分な仕上がりをお約束します。
では、完成をお待ち下さい。