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仕上りとは果たして何を持って仕上りとするか?
これはとても難しい事です。
仕上り基準を業界全てで統一するのは難しく、地域性、単価、設備、ノウハウ、全て統一、もしくはそれに準じた規格を満たすものでなければ確定できません。
ならそれを誰が決めるのか?
実際は難しい・・・。
例えば、これ。
微細な傷に見えますが実はこれは、とても綺麗に見える新車の塗装状態を特殊な照明で検査しているところです。
筋は傷・・・と言っても数値の単位がマイクロメートルと言う日常では使わない単位の傷の検出。
チリチリはピンホールという塗装面の微細な荒れ。
陰影の違いは塗装面の凹凸による物。
これを適切に研磨すると。
フラットに均一に傷もなくチリチリもなく綺麗になります。
では、元々ある塗装面の凹凸と共に塗り肌が無くなったのか?と言えばそうではなく、塗肌は健在でこれが塗り肌。スリット状の光がモヤモヤとしているのが塗り肌の状態です。
仮に肌がなくなればスリットはモヤモヤせずにクッキリとシャープに映り込みます。
肌の均一テスト(板金塗装ではかなり重要な要素)。
お次は・・・。
イオンデポジット。
斑点状の染み。
ここまでクッキリとしたものは、自然光でも蛍光灯でも見えるのですが、この染みの下では塗装は既に陥没しており、深い研磨でなければ対処できない状態を招く悪者です。
ではこちらは・・・
ケルビン数(照明の色温度)を、これがよく見える物を使用し、入念なケミカル洗浄後に確認。
洗車傷も含め淡い染みがよく見えますが、自然光や蛍光灯では見えない場合が大半で、照明により悪さする手前で発見出来るので、深く塗装を削らなくても綺麗に修正できます。
塗装は削りすぎると弱く脆くなるので大事な所です。
この様に、光源次第で見える物も変われば判断基準も、作業内容も変わります。
逆にこの光源が無ければ見えないので、リアルな塗装のコンディションとそれを元にした診断、その後の作業方針、価格すら決まりません。
なら手っ取り早い!
お客様が見るのはこんな変態チックなマニア照明ではなくお日様の光。
そこで綺麗ならそれでいいや!
となるのかな?
ところがお日様の光は気まぐれ。
安定していません。
今回の内容は作業する上で当店が考える基準の元になる考え方ですが、結果として綺麗な仕上がりにはかなり必要な要素なので、マニアぐらいがこの仕事には丁度良いのかも知れませんね。(笑)
新車塗装も一手間加えるとより艶深く透明感が増します。左が作業後で右は未施工。
照明器具は作業灯でもあり診断用でもあります。
見えるから適切な診断ができるので、ダメージが進行する前に未然にお客様にお伝えできます。
結果として早期発見はコストダウンに繋がります。
カーケアで悩む前に先ずはご相談ください。