カテゴリ: 塗装と化学反応・・・徳島県カーコーティング専門店クラフトワークス・ゼン
私は運がよかったのかもしれません。
と言うのもクラフトワークス・ゼン以前は整備及び板金塗装の会社に勤務していました。
整備はもとより、板金塗装では車体構造、塗装の性質など単に整備士だけでは経験できない多くお実践を行ってきました。
上には上がいる事はさも承知のことですが、少なからず、コーティングをする上での基本的な知識はそこで勉強しました。
塗装とコーティングの関係は、意外と複雑です。
塗装は樹脂で有機物です。
今主流のコーティングは無機性質です。
相反します。
しかしボディーの鉄板も無機性質です。
そこに塗装が定着するにはそれ相当の下地や素材が必要です。
言い換えると現代の塗装は非常に優れた化学由来の最強コーティングです。
しかし・・・傷、陥没、色あせ、艶引き、様々な劣化が起こります。
当時、塗装仕上げで躍起になったのが磨きです。
磨き=研磨で発生する研磨傷、摩擦で発生する研磨熱による塗装の劣化の原因をいかに無くした仕上がりを求めました。
無論、磨く必要のない完璧な塗装が毎回できればよいのですが、微細なごみ噛みや塗り肌の狂いなど、実際の自動車メーカーでも修正する作業なので研磨が仕上げの肝になります。
ポリッシャー、バフ、研磨剤、さんざん仕入れては試ししているうちに、販社は違えど中身がほぼ同じもしくは同一の研磨剤やバフなどもありました。
その際を見極める為には光も必要と照明も凝りました。
そうしているうちに今主流のデュアルアクション研磨にたどり着きました。
そうしているうちに10年以上になるかなイタリア製ポリッシャーに出会い始めは周りから「そんなもんで研磨できるか!」って言われたものです。
塗りたての塗装は乾燥後でも本硬化は終わっていません。
むしろ手荒な研磨では時間と共に悪くなります。
折角塗ったものを仕上げの研磨でダメにする・・・。
これでは意味がない・・・
そこで培った知識や経験がクラフトワークス・ゼンの原点になりました。
そしてコーティング・・・。
研磨の奥深さを知るとそこいらのコーティングでは満足できません。
初めのうちは撥水にも親水にもこだわりました。
そのうちそれは重要ではない事に気が付き、コーティングを単なる「膜」と考えるのではなく「密」と「結」のと重要性を模索しました。
それは当時主流のコーティングではない別の物でした。
そこで知り合った方々は大手メーカーにはないマニアックな製品や技術があり大いに刺激になりました。
しかし一周した今、あれが良いとか悪いとかではなく、肝心なのはアフターケアにあると思い、現在に至ります。
コーティングを売るのではなく、コーティングと共にアフターケアをご提供する。
それを可能とする製品と作業法を構築する・・・。
その基本やはり研磨かな・・・
コーティングもメンテナンスの過程で研磨が必要となります。
極薄で表面をスライスして塗装膜厚を温存しながらコーティングを追加する・・・
施工以降は研磨のないメンテナンスが理想ですが、そうもいかないケースもあるのでやはり原点は研磨です・・・。