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今回のお車はかなりコンディションの悪いスバル・フォレスターです。
塗装面全体は艶も無くなり白ぼけた状態で傷も相当なものです。
傷は洗車機のブラシ傷により全面グリグリ状態です。
幸い現状では表面の研磨で何とかなる状態でしたので、お客様とご相談の後、リセット研磨でのお預かりです。
雨垂れのスジも凄まじく、もはや洗車でどうこう出来る状態でもなく、洗車後でもこの状態です。
出来るかぎりケミカルで取り除き、後の研磨でリセットします。
今回のケースでは、スバルの塗装質と、洗車のタイミング及び洗車機ならでは問題が複合して現在に至ります。
先ずは塗装質・・・
スバルの塗装は粘りがあり柔らかな塗装質です。
特に黒は熱による影響を受けやすくお手入れを怠ったり、相性の悪いコーティング剤やケミカルの使用で綺麗にするつもりで逆に塗装を痛めてしまう事が多々あります。
長期間洗車をせずに汚れたままの状態では、塗装表面は酸化汚れにより荒れていきます。そうなると塗装表面のキメが荒れ始め、密度も低下し汚れの固着や浸透によりくすんだ状態となります。
この時点で洗車機を通しても、ブラシで擦られるだけで、もはや塗装に固着した汚れは落ちる事も無く、その後の撥水剤により汚れたままの状態の上に、粘りのある撥水剤が積み重なり汚れが積み重なり今回の状態となります。
早い話、汚れの膜でコーティングされた状態と言うのがリアルな現状です。
ご相談いただいた以上、どうにかないと・・・
そこで当店の出番です。
この状態からの研磨はプロでも難易度が高く、まともに研磨できない例も多くみられます。
スバル以外ではホンダや日産の黒も同じレベルで厄介です。
1工程目・・・磨いた個所は黒味が復活しました。
研磨剤や研磨方法もこの状態にちなんがセッティングで行います。
ピンと来ないかもしれませんが、この状態のスバルの塗装ではコンパウンドを指につけ塗装面を擦ると、少しずつ消しゴムのカスのように、ポロポロとカスが出ます。
しかしそれをポリッシャーで作業するとそのカスが絡みこんで、コンパウンドごと塗装面に貼り付いて手も足も出なくなります。
べたつかないけど糊が全面を覆った状態とお考え下さい。
当然ですが研磨も出来なければ艶も出ません。
むしろ、やればやるだけ状態は悪くなります。
そこが劣化したスバル塗装の難しい所です。
それらを踏まえた上での研磨・・・油分や樹脂による一時的な艶出しなどの誤魔化しは一切しません。
劣化した表面を薄く薄く削り、塗装ダメージを最小限で艶も質感も綺麗な状態に戻します。
しかし・・・見た目と裏腹に塗装密度は戻りません。
低下した密度は汚れが沁み込みやすく、2年ぐらいで艶も随分と低下します。
そうならない様にコーティングで密度を強化し防汚性を高める事で、艶が持続するので、コーティングの大きな役割は、水を弾く事でもなく、親水する事でもありません。
密度向上による防汚性と艶の持続と、お手入れを非常に簡単にするためにあります。
ではオーナー様、綺麗に仕上げてお返しいたしますので安心してお待ちください。