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さてご紹介はソリッドブラックのレクサスNXです。
今回は中古車をご購入という事でご依頼いただきました。
程度の良い車両で、パッと見の深い傷とか陥没した染みは気になりませんでした。
とは言ってもソリッドブラックですので、色々見たくないもんまで見えてくるのですね・・・。
細部洗浄を終え研磨工程・・・。
終了間際のワンカット・・・。
作業初めの状態は・・・全体的に白ぼけた印象だったのはこの傷のせい。
販売店で納車前に磨かれた痕跡です。
と同時に深い線傷もちらほら・・・。
初期研磨でほぼ仕上がり寸前まで磨きます。
研磨は2工程で決めます・・・先ずは1工程目の途中で撮影。
タイヤアーチの手前は磨いてない個所なので白ぼけてるでしょ・・・
順光で確認・・・また違うものが見えてくる・・・けど均一な研磨で面を整えてるのでムラも無い・・・(笑)
1工程目の最中・・・
2工程目まで進んで少し離れた位置から・・・かなり黒くなりました。
もはや何もないのでただの黒い面・・・これで研磨終了。
白い光(4,200ケルビン)は光のセンターから少し離れた場所を見ると見えてくる研磨中のクリアー塗装の表面の透明感の仕上りの良し悪しの判断に・・・
赤みのある光(3,000ケルビン)は傷の深さの判定や艶の判定を・・・
それだけではないのですが、塗装面を立体的に肌の奥・・・クリアー塗装の表面密度、目の粗さや研磨での擦り目の有無・・・総合的に光の距離と角度と自分の目のピント位置(被写界深度)で妥協なくジャッジします。
配光特性も影響しますが一番肝心なのは自分の目ですね!
出来る限り薄く無駄なく精密に研磨する為の照明です。
なので、出来の悪さもあからさまになるので残酷な環境です
作業を邪魔する余計な光もない暗室で、真昼間から引きこもりで磨いています。(汗)
通常、研磨でここまで仕上げると、この後の洗車とコーティングの出来次第で悪くなるのが通例です。
と言うのも、研磨後の洗車時の摩擦や既存車あるあるの、隙間から流れ出てくる微細な汚れの粒子を引っ張って(全てのパーツを分解洗浄しない限り出てきます)洗車傷になったり、拭き筋や水の乾いた染みやらと憂鬱な条件はいくらでもあります。
この環境ではすべて見えます。
頑張っても気合でも防ぐ事の出来ない洗車傷、コーティングの塗り込み傷、拭き傷、塗りむら・・・触れば触るだけこれらのオンパレードになります。
研磨で活躍したコンパウンドの粒子も洗車時には危険な存在になったり、粒子の成分が純水に溶けだし乾いて染みになったりもします。
純水だから・・・乾いても染みが出来ない・・・と言っても気を抜けないのです・・・。
なので仕上げるには全工程でそれ相応のノウハウが必要です。
見えなければ身につかないノウハウでもありますが・・・(笑)
次回は完成をご紹介します。
良い週末を・・・明日は自宅で愛車の洗車です。