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さて、毎度のヘッドライトの劣化防止のプロテクションフィルム。
長文ですが、重要なことなのでお読みくだされば幸いです。
ヘッドライトは透明な樹脂(ポリカーボネイト)と、それを保護するハードコート(透明なコーティング)から成り立ちます。
ポリカーボネイトは加工性に優れ柔軟性も高く優れた素材ですが、単体で使用すればすぐに傷つき、紫外線等であっという間に劣化します。
それを防ぐためにハードコートと言う皮膜で保護します。
その名の通り、耐擦り性も高く紫外線からもポリカーボネイトを保護します。
非常に優れた被膜でありながら残念な事に、早ければ3年以内に劣化して皆様がご存じの、みすぼらしい状態になります。
その保護に最適なのが「ヘッドライトプロテクションフィルム」です。
とても滑らかで艶やかで紫外線を遮断し傷も防ぎ約5年間保護します。
経過したフィルムは弾力も低下し、見た目では分かりずらいながらも機能も低下していますので、5年前後で状態を確認し、問題なくても出来れば張り替えた方がより良い状態で過ごせます。
しかし、以前フィルム施工には条件がある・・・と言う話に関してですが、ヘッドライの表面状態は一見すると綺麗に見えても時間と共に劣化しております。
この劣化は目に見えない表面の密度の低下とでも言いますか、ハードコート樹脂の安定した皮膜状態が時間と共に脆くなり、ポリカーボネイトとの密着も弱くなり実は剥がれる寸前・・・と言う状態のお車のございます。
見た目で分かりませんが・・・
なので油断してしまうのです。
そしてある日を境に「剥がれている」と気が付くわけです。
※黄ばんで濁って剥離している例
※ドイツ車特有の無数のひび割れ劣化
使用環境にもよりますが見た目は綺麗でも剥がれかけ寸前の場合、ガムテープなどの粘着の強い物を貼ると、剥がす際にハードコートが剥がれます。
では劣化を時系列でご説明。
●新品
表面密度が整い、水弾きも良く、新品特有の柔軟性のある張りのある状態
●屋外保管の1年後
見た目は新品状態だが、水弾きもなく防汚性も低下している
●2年後前半
1年目と変わらないが見た目では分からない皮膜の劣化が進行している。
●2年後後半
早いものはこの時点で見た目に分かるハードコート剥離やひび割れが発生。(アウディーなどは3年未満でひび割れが発生しているケースが多く、中古車などは気を付けて買わないと後から気が付いてももう遅い)
●3年後(フィルム施工できるギリギリ)
大半のお車は危険領域。
フィルムを貼っても剥がす際にハードコートごと剥がれるリスク大。
それをご理解いただいての施工となるタイミングです。
●4年後以降
確実に劣化している。
あくまでも参考事例で、条件により劣化期間は変化します。
実は洗車の方法や使用するコート剤でも劣化期間は変わるので、5年目でも問題ない方もおられます。
でもいずれは劣化しますので時間の問題です。
この様に時系列にすると3年目にも見た目は変化ないお車が多いのですが、場合によりけり後が無いのも事実です。
なので油断してしまうのですね!
結論から言えば、安全範囲で施工できるのは2年前半までとお考え下さい。
しかしヘッドライトの形状(立体が強い、凹凸があるなど)によっては、表面密度も低下していますので、フィルム施工時にフォルムの定着が非常に悪く、施工しずらく剥がれやすいと言う状態が多々あります。
この場合、ヘッドライト表面をクリーニングポリッシュし、表面密度を向上させフィルムの定着を促進させるコーティングを施工します。
施工後は6時間は硬化時間が必要なので、フィルム施工はそれ以降となり、お預かり期間は2泊3日となります。
アウディーやワーゲンの様な立体があまりなく、殆ど面のみの形状なら良いのですが国産車はそうもいきません。
あと・・・新車なのだけどディーラー等で既にコーティングしている場合、フィルムの定着が悪くなるので軽く研磨しコーティングを剥がしてからの作業となります。
コーティングの種類やトップコートによっては、フィルム施工の妨げになります。
実は・・・当店のコーティングも妨げになりますので、それらを考慮した作業を行いフィルム施工をしております。
フィルムもコーティングもそうですが、何事も肝心なのは「密着」です。
その為の下地作業はとても重要です。
キチンと下地が出来ていればこんな複雑な形状も貼れます。(実物見たら皆さんビックリしますけど)
フィルム施工も水を味方に作業しますので、私の仕事は水と仲良く出来ないとダメですね!
フィルム施工をお考えの方のご参考になれば幸いです。