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さて、現在作業中のお車。
屋外保管の試乗車をご購入され、それ以降はこまめにお手入れを怠らなかったオーナー様ですが、そろそろ微妙に塗装もざらついて細かな箇所も気になり始めたタイミングで「リセットコース」のご依頼です。
ヘッドライトの上部、ここはボンネットで隠れる個所。
シリカスケールの固着・・・通常の洗車での除去は無理。
水道水や地下水に含まれるミネラルの残留が硬度の高い汚れとして固着。
この場合、削り取るかケミカル反応による分解除去のいずれか、はたまたケミカルで緩めてソフトな研磨で取り除くか・・・
かと言ってケミカルなら何でも良い訳でもなく、効果的にスケールを取り除き安全な仕上がりのケミカルで除去。
幸いケミカルのみでスッキリ。
窓ガラス・・・同じくシリカスケール。
窓ガラスは無機物であり、非常に防汚性の低い素材でもあります。無機汚れも油膜も何でも貼り付きます。
特に同質の無機物との結合は顕著で、固着した際の除去は非常に厄介な代物ですが新車の窓ガラスなどまだらに撥水するのは全て油膜。
本来無垢で汚れの無い自動車ガラスは水を弾かない完全な親水です。
では同質の無機物とは何か???
水道水に含まれるミネラル(鉄やマグネシウム等)であり、それらの金属イオンと強固に結合します。
ワザとに分かりやすく見える化しました。
でも不思議ですね・・・初めのヘッドライトと異なりミネラルを含んだ水分をちゃんとふき取っているのにな何故こうなるのか?
無論初めから付いている油膜の影響もありますが、屋外保管の試乗車だった点も含めると、雨等による汚れの固着という事になります・・・が・・・雨にはミネラルは含まれません。
しかし実際にシリカスケールが固着しています。ついでに油膜と酸化汚れ(PM等の汚染物)もセットです。
主な理由としては、実際の雨はそれなりに汚れを含んんだ水です。
同時にボディー上には砂ぼこりや花粉やその他のチリも貼り付いています。
そこに雨(水)が加わると水溶性の汚れ成分が溶け出し車のあちこちに付着し、水分が蒸発後に溶けた汚れの成分が残留して固着します。実際に砂にはミネラルが含まれまそれらも水溶性なので水に溶けだします。
と言う観点から水も一種の溶剤として当店では様々なものに使える優秀な無機ケミカルとして位置付けています。
短期間なら固着も緩いので洗車で取れますが、時間が経つに従い強固に固着し取れなくなります。
そう言った理屈なので特に防汚性の低いガラスにはコーティングは重要なので、ご予算がある方は施工をお勧めします。
スケールも油膜もすべてなくなりスッピンのガラスになりました。
ココからは細部洗浄・・・隅々に汚れはたまっているのです。
ケミカル&刷毛でのクリーニング。
話は変わりフロントエンブレム・・・このへんてこな模様は劣化し部分剥離したハードコートです。ヘッドライトの劣化は誰しもが知っていますが実はこんな個所も短期間(3年前後)で劣化します。
これを防ぐにはプロテクションフィルムが最も有効ですが、メーカーサイドとしてはミリ波レーダーの誤作動につながる恐れがあると批判的な意見もありますが、仮にそうなら、雨粒による乱反射や虫や付着物による影響はどうなの?と言いたい。
凹凸も無く透明で平滑なフィルムが何の悪さをする???むしろハードコートが剥離した際の凹凸やこの後に発生するひび割れの方が悪影響を及ぼしかねないですね。
という事で当店では率先して貼らせて頂いておりますが、数多く施工させて頂いてますが今のところミリ波レダーの誤作動は一件も起きていません。
ちなみにベンツもワーゲンも屋外保管なら3年もすれば劣化します。
アルファードやヴェルファイアも劣化しますが意外と頑張り5年ぐらいは持ちこたえます。
確実に劣化を止めるには現状ではプロテクションフィルムを超える素材は見当たりませんのでヘッドライトと共に気になる方はご相談ください。